2022年 01月 27日
音程の和声 中世・ルネッサンスの和声の組織的特性は、音程の和声、音程と3和音の和声、3和音の和声、に分類される。命題となる「旋法和声_バロック前期の和声」を検証する前に、その「特性」を確かめておこう。 和声構造の認識根拠となる歴史的経緯_ 自然発生 9 世紀_オルガヌム_平行法による音程の和声_ムシカ・エンキリアディス ( 音程の和声 ) 11 〜 12 世紀_自由オルガヌム_垂直的な和声構成 14 世紀_集積音程の和声素材_導音カデンツ 15 世紀_ポリフォニーとフォモフォニーの対照的な和声構想 ( 音程と3和音の和声 ) 16 世紀_教会調(教会6旋法)による3和音和声の誕生 ( 3和音の和声 ) 中世・ルネッサンス音楽の概念となる伝統的な「旋法性」と「構造特性」は、つぎの時代のバロック_モンテヴェルディ、J.S.バッハ、ヴィヴァルディ、ヘンデル、古典派_モーツァルト、ベートーヴェン、そしてロマン派_ショパン、シューマン、ブラームス、印象派_ドビュッシー、ラヴェル、フォーレ、近代現代_レーガー、バルトーク、ラフマニノフ、ストラヴィンスキーの音楽作品と深く関わる内容である。 つまり、18世紀音楽の和声様式はもちろん、それ以前と以降の様式に関する象徴化においても、まずその起源的現象_平行歌唱法による並進行(連続)音程の構成要素を知ることから出発する必要がある。また、現象の構成要素を知るための分析は確たる論理的構造の基盤となる。さらには、そういった私たちの思考と概念的方向に確かな「てだて」を与えてくれる 20 世紀の理論家が指し示す新しい理論と論理は、中世・ルネッサス・バロック音楽の還元的な分析から得られる概念そのものなのである。 和声学とは、「表出の歴史的な経緯」と「象徴化を伴う全体構造の考察」であると言われてきたのもさほど昔のことではない。たとえば、西洋人自身が永い歳月をかけて編み出した音程・和音表記法、および論理的な言説に支えられた旋法概念に関わる認識基準は音楽理論の基本的知識であって、演習の、作曲の、あるいは和声学における実証的研究のイロハを意味するものにほかならない。
by cantus-mollis
| 2022-01-27 14:34
| 音程の和声
|
カテゴリ
和声学:旋法和声_教会調の概念 前記 和声の変遷 教会旋法と和声法 教会旋法の推移 音程・和音表記法 譜例および演習について 旋法和声_中世・ルネッサンスの和声 音程の和声 初期の音程作法 平行法 オルガヌムにおける声部進行の比較 メリスマ作法 対照的和声作法 リズム・モード 和音的効果 不協音程 協和的3度音程と3和音 13世紀までの終止法 音程作法 強拍部の3・6度音程 イソリズムとリズムの複雑化 段落・終止法 音程と3和音の和声 フォーブルドン ポリフォニーとホモフォニー 低音5度下行の導音カデンツ 3和音の和声 模倣 ホモフォニー 掛留と経過音 終止における完全3和音 半音階法 連続5度 旋法和声_バロック前期の和声 01. 教会6旋法/モンテヴェルディ 02. 旋法転移 03. 原和音と変化和音 04. 導音カデンツとその転移 05. 段落・終止法 06. 変ロ音化 07. 和音性質変化 08. 根音進行 09. 教会調 音程と和音の連結 総合演習 10. 声部修飾 REFERENCE Data
画像一覧
|
ファン申請 |
||